LDL-C/マーチン法
Martin法の具体的な計算式
Martin法(Martin-Hopkins法)は、従来のFriedewald式の限界を補うために開発されたLDL-C推定式で、中性脂肪(TG)値に応じて可変係数を用いることで、より正確なLDL-C値を算出します。
Martin法の基本構造
Martin法の計算式は以下のようになります:
LDL-C=TC−HDL-C−(TGadjustable factor)\text{LDL-C} = \text{TC} - \text{HDL-C} - \left( \frac{\text{TG}}{\text{adjustable factor}} \right)
TC: 総コレステロール(Total Cholesterol)
HDL-C: 高密度リポ蛋白コレステロール
TG: 中性脂肪(Triglycerides)
adjustable factor(可変係数): TG値とnon-HDL-C値に応じて決定される係数(通常は3.1〜11.9の範囲)
可変係数の決定方法
Martin法では、TGとnon-HDL-C(TC − HDL-C)の組み合わせに基づいて、事前に構築された表(cell table)から係数を選択します。これは以下のようなステップで行われます:
non-HDL-C値を計算:TC − HDL-C
TG値とnon-HDL-C値の範囲を確認
対応する係数を表から取得
TG ÷ 係数でVLDL-Cを推定し、LDL-Cを算出
この係数表は、Martinらが約1.3百万件の脂質データを解析して構築したもので、TGが高値でも精度が保たれるのが特徴です。
Martin法の利点
TG高値(400mg/dL以上)でも使用可能
空腹時・非空腹時の差が少ない
Friedewald式よりも精度が高く、直接法に近い結果を示す
Martin法は、米国ではすでに多くの検査機関で導入されており、日本でも一部の施設で採用が始まっています
2025年10月17日 | カテゴリー:生活習慣病 |




