TGFβとTreg
Treg(制御性T細胞)と TGF‑β の関係
Treg と TGF‑β の基本関係
検索結果でも示されているように、TGF‑βは Treg の誘導・維持・機能のすべてに深く関わる中心的サイトカインです。
Tregは IL‑2 と TGF‑β1 の存在下でナイーブCD4⁺T細胞から誘導可能
Treg自身も TGF‑βを産生し、免疫抑制に寄与
TGF‑β1は Treg誘導とTh17誘導の両方に関わる(文脈依存)
1. TGF‑βによる Treg 誘導(iTreg/pTreg)
検索結果より、TGF‑βは末梢での Treg 誘導に必須です。
✅ 誘導条件(in vitro)
IL‑2(50–100 U/mL)+ TGF‑β1(5 ng/mL)で ナイーブCD4⁺T細胞 → iTreg(誘導性Treg)
✅ 末梢誘導(pTreg)
腸管などの末梢リンパ組織で 抗原刺激+TGF‑β → Foxp3発現誘導
✅ Foxp3発現の安定化
TGF‑βは STAT5(IL‑2経路)と協調して Foxp3転写を誘導
pTreg/tTregでは Foxp3遺伝子座のTSDR脱メチル化が安定化に重要
2. TGF‑βと Treg の免疫抑制機能
Tregは活性化時に IL‑10、TGF‑β、IL‑35などの免疫抑制性サイトカインを分泌。
✅ TGF‑βの役割
樹状細胞の成熟抑制
エフェクターT細胞の増殖抑制
B細胞のクラススイッチ調整
マクロファージの炎症性サイトカイン抑制
✅ Tregの抑制機構(検索結果より)
細胞接触依存性抑制(CTLA‑4, TIGIT, CD39/CD73)
TGF‑β分泌による抑制
3. TGF‑βは Treg と Th17 の分岐点
検索結果が強調している重要ポイント:
✅ TGF‑β1単独 → Treg誘導
✅ TGF‑β1 + IL‑6 → Th17誘導
TGF‑β1は抗炎症性(Treg誘導)と炎症促進性(Th17誘導)の両面を持つ
TGF‑β3は Th17誘導に関与するという新しい知見もある
4. システム生物学的に見る Treg × TGF‑β
あなたの専門性に合わせて、TGF‑βを「環境統合ノード」として捉えると理解が深まります。
✅ TGF‑βは Treg の “状態遷移制御因子”
ナイーブCD4⁺ → Treg
Treg → 安定化(Foxp3維持)
Treg → 組織特異的Treg(脂肪組織Treg、腸管Tregなど)
✅ 環境因子による分岐
| 環境因子 | 結果 |
|---|---|
| IL‑2高 | Treg誘導・維持 |
| IL‑6高 | Th17誘導 |
| レチノイン酸 | pTreg誘導促進 |
| 炎症性サイトカイン(IL‑1β, TNF) | Treg不安定化 |
5. 病態における Treg × TGF‑β
✅ 自己免疫疾患
Treg不足または機能不全 → 自己免疫発症
TGF‑βシグナル低下が関与
✅ がん
Tregが腫瘍微小環境で増加
TGF‑βが免疫抑制を強化し、腫瘍免疫回避に寄与
✅ 線維症
TGF‑β過剰 → ECM産生増加
TregもTGF‑βを産生するため、線維化との関係は文脈依存
✅ 引用(検索結果)
Treg誘導に IL‑2 + TGF‑β1 が必要
TGF‑β1は Treg と Th17 の両方を誘導
Tregの分類・誘導・機能の詳細


2025年12月19日 | カテゴリー:サイトカイン/ケモカイン/ホルモン, 新着情報, 各種病因学, 癌の病態生理と治療学 |




