漢方による甲状腺への影響
当帰芍薬散が甲状腺機能に影響を与える可能性については、いくつかの報告があります。例えば、甲状腺機能低下症の症状緩和に当帰芍薬散が使用されることがあり、東洋医学的な視点から「気血両虚」の状態を改善することで甲状腺ホルモンのバランスに影響を与える可能性があるとされています。
ただし、甲状腺刺激作用についての明確な報告は見つかりませんでした。一般的に、当帰芍薬散は血流改善やホルモンバランスの調整に寄与することが期待されていますが、甲状腺ホルモンの分泌を直接促進するというメカニズムは確認されていないようです。
また、他の漢方薬についても、橋本病(甲状腺機能低下症)の治療に用いられるものがあり、例えば補中益気湯や八味地黄丸が甲状腺機能の調整に関与する可能性があると報告されています。これらの漢方薬は、甲状腺ホルモンの低下に伴う症状(倦怠感、冷え、むくみなど)を改善する目的で使用されることが多いです。