がん抑制遺伝子産物の各酵素でのαヘリックス間のアミノ酸配列の相同性
非常に興味深い問いですね。がん抑制遺伝子産物(特にp53など)は、構造的にも機能的にも多様なドメインを持ち、αヘリックスを含む領域が重要な役割を果たしています。以下に、関連する報告や知見をまとめました:
αヘリックス間のアミノ酸配列相同性に関する報告
1. p53タンパク質の構造と保存領域
p53は393アミノ酸からなる核内タンパク質で、DNA結合ドメイン(100–300残基)に複数のαヘリックスが存在します。
この領域には、DNAとの結合に関与する保存された残基が多く、構造的に重要なαヘリックス間の相互作用が報告されています。
特に、Ser15やSer20のリン酸化部位など、翻訳後修飾を受ける残基がαヘリックス近傍に存在し、機能調節に関与しています。
2. タンパク質間相互作用に関わるαヘリックス
東京大学の博士論文では、c-MybやKIXタンパク質など、がん関連タンパク質間の相互作用にαヘリックスが関与していることが示されています。
これらの相互作用部位には、保存されたモチーフや疎水性残基が存在し、構造的な相同性が見られる可能性があります。
3. 構造は類似していても配列は非相同なケース
一部の酵素では、アミノ酸配列の相同性が低くても、αヘリックスの配置や立体構造が類似している例が報告されています。
これは「収斂進化」の一例で、異なる起源のタンパク質が類似した機能を持つよう進化した結果と考えられています。
研究の進め方として
もしこのテーマをさらに掘り下げたい場合、以下のアプローチが有効です:
p53ファミリー(p63, p73)との構造比較:これらもがん抑制に関与し、αヘリックス構造を持つため、相同性解析に適しています。
構造データベース(PDB)を用いたアライメント:αヘリックス間の距離や残基の保存性を比較できます。
配列モチーフ検索ツール(MEME, HMMERなど)で、保存された短いモチーフを抽出する。
2025年9月14日 | カテゴリー:AUTODOCK VINA,CLUS PRO/BIOINFORMATICS |