振戦の分類
振戦(しんせん)は「ふるえ」の一種で、不随意に筋肉が収縮と弛緩を繰り返す運動障害です。分類は出現する状況によって分けられます。
🔎 振戦の主な分類
安静時振戦
じっとしている時に出現する震え。
代表例:パーキンソン病。
動作時振戦
随意運動に伴って出現する震え。さらに細分化されます:
姿勢時振戦:腕を前に伸ばすなど一定の姿勢を保つ時に出る。
代表例:本態性振戦、甲状腺機能亢進症。
企図振戦(小脳性振戦):目標に近づくほど強くなる震え。
代表例:小脳疾患、多発性硬化症、脊髄小脳変性症。
生理的振戦
健常者でも緊張や寒さで一時的に出る震え。治療不要。
特殊な振戦
羽ばたき振戦(asterixis):肝性脳症などで見られる、手を広げた時に羽ばたくような震え。
薬剤性振戦:抗うつ薬、気管支拡張薬などの副作用で出現。
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📌 まとめ
安静時振戦 → パーキンソン病に典型的。
姿勢時振戦 → 本態性振戦や甲状腺機能亢進症。
企図振戦 → 小脳疾患に特徴的。
羽ばたき振戦 → 肝性脳症など代謝性疾患。
振戦は「出るタイミング」で分類され、原因疾患の診断に直結します。




