閉塞性器質性気管支炎
閉塞性器質性気管支炎とは
閉塞性器質性気管支炎(正式には「閉塞性細気管支炎」)とは、末梢の細い気管支が不可逆的に閉塞し、呼吸困難や咳などを引き起こす進行性の肺疾患です。厚生労働省の指定難病(228番)にも認定されています。
病態の概要
病名の英語表記:Bronchiolitis Obliterans(略称:BO)
病変部位:細気管支(気管支の末端部分)
病態:炎症や線維化により細気管支が閉塞し、空気の通り道が狭くなることで呼吸機能が低下します。
原因
特発性(原因不明)
感染症:マイコプラズマ肺炎、ウイルス性肺炎など
自己免疫疾患
移植後:骨髄移植や肺移植後の合併症として発症することがある
薬剤性・揮発性物質の吸入:一部の化学物質も原因となることがある。
⚠️ 主な症状
乾性咳嗽(痰を伴わない咳)
労作時呼吸困難(運動時の息切れ)
進行すると気胸や高炭酸ガス血症などの合併症を伴うこともある。
検査と診断
呼吸機能検査:閉塞性換気障害(FEV1低下)
胸部CT:空気捕らえ込み現象(吸気と呼気の差)
肺生検:病理診断が必要だが、病変が斑紋状に分布するため診断困難な場合もある。
治療と予後
根本的な治療法は未確立
対症療法が中心:COPDに準じた治療(吸入薬、酸素療法など)
予後は不良:病変が不可逆的であり、進行すると呼吸不全や感染症で死亡することもある。