膠原病における線維化
膠原病でみられる線維芽細胞は、免疫異常や慢性炎症の影響を受けて「過剰に活性化」し、正常な組織修復機能を失い、むしろ炎症や線維化を促進する方向に障害されています。
線維芽細胞の障害の特徴
過剰な活性化 本来は組織修復を担う線維芽細胞が、膠原病では炎症性サイトカイン(TNF, IL-6, IL-17など)の刺激を受けて異常に活性化します。
炎症促進型サブセットの出現 関節リウマチなどでは、滑膜線維芽細胞に「炎症を助長する悪玉サブセット」が存在し、免疫細胞と相互作用して炎症を持続させます。
過剰なコラーゲン産生 強皮症や膠原病関連間質性肺疾患(CTD-ILD)では、線維芽細胞が過剰にコラーゲンや細胞外基質を産生し、臓器の線維化を進行させます。
免疫異常との連動 自己免疫反応によって線維芽細胞が標的となり、炎症性環境下で「組織修復」よりも「病的線維化」に傾きます。
組織破壊と修復のアンバランス 炎症を抑える役割を持つ線維芽細胞サブセットも存在しますが、膠原病では炎症促進型が優勢となり、関節破壊や臓器障害が進行します。
まとめ
膠原病における線維芽細胞は、
炎症性サイトカインによる異常活性化
炎症促進型サブセットの増加
過剰なコラーゲン産生による線維化
といった障害をこうむり、正常な修復機能を失って病態の進行に深く関与しています。したがって、近年は「線維芽細胞そのものを治療標的にする」研究が進められています。
Sources: 東京医科歯科大学・関節リウマチ滑膜研究, 全国膠原病友の会, Boehringer Ingelheim CTD-ILD病態解説, 順天堂大学医学部附属病院, 看護学生レポート
はい、膠原病の病態ではアディポネクチンの働きも障害されることが知られています。 特に慢性炎症や線維化が進む環境では、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンの量や機能が低下し、血管保護や抗炎症作用が十分に発揮されなくなります。
アディポネクチンの役割
脂肪細胞から分泌される善玉ホルモン 血管修復、抗炎症作用、インスリン感受性の改善などを担います。
血管・免疫系の保護 血管壁の炎症を抑え、動脈硬化や高血圧を防ぐ働きがあります。
代謝調整 血糖値を下げる方向に働き、糖尿病予防にも寄与します。
膠原病における障害の特徴
慢性炎症による分泌低下 膠原病では炎症性サイトカインが持続的に分泌され、脂肪細胞の機能が乱れ、アディポネクチン産生が減少します。
線維化との関連 強皮症や膠原病関連間質性肺疾患では、線維芽細胞の異常活性化とともにアディポネクチンの抗線維化作用が弱まり、臓器線維化が進行します。
免疫異常との相互作用 本来アディポネクチンは炎症を抑える方向に働きますが、膠原病では免疫異常が優勢となり、その保護作用が十分に発揮されません。
まとめ
膠原病では 線維芽細胞の障害と同様に、アディポネクチンの分泌や機能も障害される ため、炎症や線維化が悪化しやすい病態になります。 このため近年は「アディポネクチンを増やす治療」や「その作用を模倣する薬剤」が研究対象となっています。




