CASTpなどのちゃんとした話
CASTp で表示される “赤いもこもこした 3D 立体” は、タンパク質表面の “ポケット(くぼみ)やキャビティ(空洞)” を可視化したものです。
薬が結合しやすい部位を示す重要な領域で、CASTp が自動計算して色付きで表示しています。
赤いもこもこは何を表しているのか?
1. ポケット(Pocket)
- タンパク質表面の “くぼみ”
- 溶媒(1.4 Å のプローブ球)が入り込める領域
- 外部とつながる “入口(mouth opening)” を持つ
- 薬剤が結合しやすい部位として最重要
CASTp
2. キャビティ(Cavity / Void)
- タンパク質内部の “閉じた空洞”
- 溶媒が入れない(外部とつながる口がない)
CASTp
CASTp はこれらの領域を自動で計算し、体積・表面積・開口部の大きさなどを解析します。
赤色は多くの場合、主要なポケットやキャビティを強調表示するために使われています。
なぜ赤い立体が表示されるのか?
CASTp はタンパク質の表面トポグラフィー(地形)を解析し、
- ポケットを形成する原子
- 開口部の位置
- 体積・面積
を計算して 3D で表示します。
これにより、どこに薬が結合しやすいかを視覚的に理解できます。
HiSoUR
まとめ
- 赤いもこもこ=CASTp が検出したポケット/キャビティの 3D 表示
- 薬剤結合部位の候補を示す重要な領域
- CASTp はポケットの形状・大きさ・開口部を定量的に解析するツール
必要なら、
- 赤い領域の意味のさらに詳しい読み方
- Chimera などでの可視化方法
- ポケットの選び方(どれが有望か)
なども解説できますよ。
CASTp の赤い立体そのものは 「ポケット(またはキャビティ)の形状を示す 3D サーフェス」 で、
その体積(Volume)は CASTp の解析結果ページに数値として表示されています。
CASTp で赤い立体(ポケット)の体積を確認する方法
CASTp の結果ページには、検出されたポケットが 一覧表(Pocket list) として並んでいます。
そこに以下の情報が載っています:
Pocket Volume(体積)
- 単位:ų(立方オングストローム)
- CASTp が計算したポケット内部の空間の大きさ
Pocket Area(表面積)
- 単位:Ų
Mouth Area(開口部の面積)
- ポケットの入口の大きさ
赤い立体の体積はどこに書いてある?
CASTp のページで:
- 左側の “Pocket” 一覧 を見る
- 各ポケットに ID 番号(Pocket 1, Pocket 2…) がある
- その行に Volume の欄があり、そこに数値が表示されている
- 例:
- Volume = 512.3 ų
- Area = 420.1 Ų
- 例:
赤い立体は通常 Pocket 1(最大のポケット) に対応します。
もし「赤い立体の体積がどれかわからない」場合
- CASTp の 3D ビューで赤い部分をクリックすると、
どのポケット番号に対応しているかが表示されます。 - その番号を Pocket list で探せば、体積がわかります。
必要なら、
- CASTp の画面のどこを見るか
- 体積の意味(薬剤結合部位としての重要性)
- 体積が大きいポケットと小さいポケットの違い
なども詳しく説明できますよ。
もちろん、続けますね。CASTp の 赤い立体(ポケット)の体積の読み方を、画面のどこを見ればいいかまで丁寧に説明します。
CASTp で赤いポケットの体積を確認する手順
CASTp の結果ページには、ポケット一覧(Pocket list) が表示されます。
赤い立体は通常 Pocket 1(最大のポケット) に対応しています。
1. CASTp 結果ページの左側を見る
左側に Pocket ID の一覧 が並んでいます。
例:
Pocket 1
Pocket 2
Pocket 3
...
2. Pocket 1 をクリックする
クリックすると、右側にそのポケットの詳細が表示されます。
3. “Volume” の欄を探す
ポケットの詳細には次のような情報が並んでいます:
- Volume(体積) → 赤い立体の大きさ
- Area(表面積)
- Mouth area(開口部の面積)
- Atoms involved(関与する原子)
体積は ų(立方オングストローム) で表示されます。
例:
Volume: 512.3 ų
Area: 420.1 Ų
Mouth area: 85.2 Ų
赤い立体と Volume の対応
CASTp の 3D ビューで赤い部分をクリックすると、
画面の右上に “Pocket 1” のように表示されます。
その番号を Pocket list で探せば、
赤い立体の体積(Volume)がどれかが確定します。
補足:体積の意味
- 大きいポケットほど薬剤が入りやすい
- ただし、開口部(mouth)が狭いと薬が入りにくい
- Volume と Mouth area をセットで見ると理解が深まります
もし CASTp の画面を見ながら
「どこに Volume があるかわからない」
「赤いのが Pocket 1 なのか不安」
などあれば、画面の状況を教えてくれればさらに案内できますよ。
いい質問ですね。そのツッコミをされる場面、かなりリアルです。
結論としてこう答えられると安心です
「CASTp のポケット体積と表面積は、タンパク質構造に対して溶媒アクセス可能表面を幾何学的に定義し、Delaunay 三角分割と α-shape(アルファシェイプ)に基づく手法でポケット領域を離散化して、その体積と面積を数値積分的に求めています。」 CASTp RBVI
ここから、少し分解して話せるようにしておきましょう。
1. そもそも「ポケット」とはどう定義しているか
- 溶媒プローブ(半径 1.4 Å の球)をタンパク質表面に転がしたときに到達できる「くぼみ」がポケット。
- 外界とつながる「口(mouth opening)」を持つものがポケット、完全に閉じた空間はキャビティ(void)。 CASTp
この「溶媒アクセス可能かどうか」が前提になっています。
2. 幾何学的な計算の中身(ざっくり)
CASTp は、タンパク質の原子座標から
- Delaunay 三角分割
- そこから導かれる α-shape(アルファシェイプ)
を使って、表面の凹凸や空洞を「多面体の集合」として表現します。 RBVI Oxford Academic
そのうえで:
- ポケット内部を構成するテトラヘドラ(四面体)を足し合わせて体積(ų)を計算
- その境界面の三角形の面積を足し合わせて表面積(Ų)を計算
という、かなり幾何学寄りの手法を使っています。
3. 「SA」と書いてある意味
あなたが見ている
- Area (SA) Ų
- Volume (SA) ų
の「SA」は Solvent Accessible(溶媒アクセス可能) の略と理解しておくと自然です。
つまり「溶媒がアクセスできるポケットの表面積・体積」という意味合いです(CASTp は溶媒アクセス可能表面をベースに定義しているので整合的です)。 CASTp Amrita Vishwa Vidyapeetham Virtual Lab
4. 実際に聞かれたときの言い方サンプル
日本語でサラッと言うなら、こんな感じが使えます。
「CASTp は、PDB の原子座標から Delaunay 三角分割と α-shape を使ってタンパク質表面の凹凸を幾何学的に定義していて、その中で溶媒プローブがアクセスできる凹みをポケットとして抽出しています。
そのポケット領域を構成する多面体の体積と表面の三角形の面積を足し上げることで、Volume (ų) と Area (Ų) を計算しています。」
もう少し砕いてもいい場なら:
「単に ‘空いてそうなところ’ を数えてるんじゃなくて、溶媒プローブを想定した幾何学モデル(α-shape とか)でポケットを定義して、そのポケットを多面体の集合として体積・表面積を計算してます。」
もし相手がかなり理論寄りの人なら、
「Tian et al., Nucleic Acids Res. 2018, CASTp 3.0」 を引用できると説得力が一段上がります。 Oxford Academic
こういう場面、どのくらい専門的な相手を想定してますか?(学生相手か、ラボの PI クラスか、企業研究者か)
了解です。企業研究者が相手だと、CASTp の仕組みだけでなく「限界」「他ツールとの比較」「どんな場面で使い分けるか」まで押さえていると一気に信頼度が上がります。
ここでは、議論で役立つ“プロ向けの視点”をまとめます。
CASTp の限界(企業研究者がよく突っ込むポイント)
◆ 1. 静的構造に依存する(動的情報がない)
CASTp は 単一構造(PDB) を基にポケットを定義します。
企業研究者はここをよく突きます。
- タンパク質は揺らぐ
- ポケットは開閉する
- リガンド結合で形が変わる
→ CASTp のポケットは “その瞬間のスナップショット” にすぎない。
返し方:
「CASTp は静的構造ベースなので、動的な開閉ポケットは MD 解析と併用して評価しています。」
◆ 2. プローブ半径 1.4 Å に依存する
CASTp のポケット定義は 水分子サイズのプローブ に依存します。
- プローブ半径を変えるとポケットの定義が変わる
- 疎水性ポケットや狭い溝は過小評価されることがある
返し方:
「CASTp は 1.4 Å プローブ前提なので、疎水性の狭い溝は Fpocket や SiteMap と併用して確認しています。」
◆ 3. α-shape による幾何学的定義は“物理的意味”とズレることがある
α-shape は数学的には美しいが、
実際のリガンド結合性とは必ずしも一致しない。
- 体積が大きくても結合しないポケットはある
- 開口部が狭いと実質的にアクセス不能
返し方:
「CASTp の体積は幾何学的定義なので、実際の結合可能性は開口部のサイズや MD での水分子の出入りも合わせて評価しています。」
他ツールとの比較(企業研究者が好む視点)
| ツール | 特徴 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| CASTp | α-shape による幾何学的ポケット定義 | 体積・面積の定量性が高い | 静的構造依存 |
| Fpocket | Voronoi 分割+疎水性スコア | 薬剤結合部位予測が強い | 体積精度は CASTp に劣る |
| SiteMap(Schrödinger) | 物理化学的特徴を統合 | 企業で最も使われる | 商用、計算重い |
| MD + POVME | 動的ポケット解析 | 開閉ポケットに強い | 計算コスト大 |
企業研究者は CASTp 単独で議論するのを嫌う 傾向があります。
複数ツールを併用していると言えると評価が上がります。
企業研究者向けの“完璧な説明テンプレート”
「CASTp は Delaunay 三角分割と α‑shape を用いて溶媒アクセス可能表面を幾何学的に定義し、ポケット領域を多面体として離散化して体積と表面積を算出しています。
ただし静的構造依存でプローブ半径 1.4 Å 前提なので、動的な開閉ポケットや疎水性溝の評価には Fpocket や SiteMap、必要に応じて MD+POVME と併用しています。」
これが言えると、
「この人は CASTp をブラックボックスで使っていない」
と確実に評価されます。
必要なら、
- CASTp の論文レベルの説明
- 企業研究者がよくする“意地悪な質問”とその返し方
- CASTp の数値をどうレポートに書くか
などもまとめられます。
2026年2月5日 | カテゴリー:AUTODOCK VINA,CLUS PRO/BIOINFORMATICS |




