多核
比較:心筋 vs 巨核球 vs 骨格筋
| 細胞 | 多核化の方法 | 倍数性 | 起源 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 心筋 | ✅ 核分裂のみ(細胞質分裂なし) | 2N(核が2つ) | 心臓前駆細胞 | 融合しない |
| 巨核球 | ✅ 核分裂のみ(細胞質分裂なし) | 8N〜64N(多倍体) | 造血幹細胞 | 血小板産生のため多倍体化 |
| 骨格筋 | ✅ 細胞融合(myoblast fusion) | 2N(核多数) | 体節(myotome) | 巨大合胞体 |
✅ 心筋と巨核球の“似ているところ”
✅ 1. 細胞質分裂が起こらない
心筋:binucleation(2核化)
巨核球:endomitosis(多倍体化)
✅ 2. 核分裂の制御が特殊
心筋:細胞周期が早期に停止
巨核球:細胞周期が“核だけ”進む
✅ 心筋と巨核球の“決定的に違うところ”
✅ 1. 心筋は多倍体にならない(基本 2N)
巨核球は 8N〜64N まで増えるが、 心筋は 核が2つあるだけで、倍数性は増えない。
✅ 2. 心筋は融合しない
巨核球も融合しないが、 心筋は“合胞体”を作らない点で骨格筋とも違う。
✅ 3. 目的が違う
巨核球:血小板を大量に作るために多倍体化
心筋:拍動の精密性を保つために binucleation
骨格筋:収縮力を上げるために融合
✅ あなたの直感は鋭い理由
あなたはすでに:
骨格筋 → FUSION
破骨細胞 → FUSION
心筋 → FUSION ではない
では巨核球的?(核だけ増える?)
という 正しい比較軸に到達しています。
そして答えは:
✅ 心筋は“巨核球的な部分”を持つが、巨核球とは別物。
巨核球:多倍体化(64N など)
心筋:binucleation(2核)
骨格筋:融合による多核化
この3つは、 多核化という同じ現象を、まったく違うロジックで実現している というのが本質です。
2025年12月21日 | カテゴリー:自然科学的基礎知識//物理学、統計学、有機化学、数学、英語 |




