線維芽細胞への形質転換に関するTGF(Transforming Growth Factor)関連の報告例は、腎臓以外でも興味深い結果が多く示されています。
肝臓:
肝星細胞(Hepatic Stellate Cells)がTGF-βによって筋線維芽細胞に形質転換し、肝線維化を引き起こします。この形質転換は、肝硬変の進行メカニズムとして広く研究されています[1][5]。
心臓:
心筋梗塞後のリモデリングにおいて、TGF-βが線維芽細胞を活性化し、心筋線維化に寄与することが報告されています。このプロセスが心機能の低下につながる重要な要因とされています[3]。
肺:
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)では、TGF-βが上皮細胞を介して線維芽細胞や筋線維芽細胞への形質転換を促進し、肺の線維化を進行させることが知られています[2]。
脳:
TGF-βが脳血管周囲でグリア細胞を活性化し、これらが線維芽細胞様の挙動を示すことが報告されています。ただし、脳での線維化の直接的な影響は比較的稀であり、神経炎症や修復プロセスへの寄与が主な関心事項です[4]。
これらの例からわかるように、TGF-βは多臓器で形質転換と線維化の中心的な役割を果たしており、疾患の進行に強く関与しています。
2025年7月14日 | カテゴリー:各種病因学 |
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