免疫療法に抵抗する癌
FLIP(FLICE-inhibitory protein)はアポトーシスの抑制に関与するタンパク質であり、多くの癌細胞で発現が確認されています。特に、FLIPはカスパーゼの活性を阻害することで、癌細胞の生存を促進する役割を果たしていると報告されています。
研究によると、FLIPの発現は脳腫瘍や肺癌、大腸癌、胃癌、乳癌などの多くの癌細胞株で認められており、抗癌剤への抵抗性にも関与している可能性が示唆されています。また、FLIPと結合するタンパク質のスクリーニングを行った結果、カルシウム結合配列を持つタンパク質との関連が見つかり、カルシウムによるアポトーシス制御にFLIPが関与する可能性があると考えられています。
さらに、FLIPの発現量を低下させることで、抗癌剤によるアポトーシス誘導が促進されることが確認されており、FLIPを標的とした治療戦略の可能性も議論されています。
2025年5月14日 | カテゴリー:癌の病態生理と治療学, 免疫疾患 |