免疫学的末梢トレランスについて
末梢臓器に存在する自己反応性リンパ球は健常者ではトレランス状態で存在する。このトレランス維持機構は制御性T細胞や活性化自己反応性T細胞に存在するCTLA4やPD1などの阻害分子に依存する。
TregやCTLA4やPD1に異常が起きると自己免疫疾患が生じる。加齢によりこれらに異常があるために膠原病が発症しやすくなる
また、外来抗原と自己抗原との交差反応からトレランス状態が解除されることもある
2024年4月16日 | カテゴリー:膠原病 |
膠原病 一覧
末梢臓器に存在する自己反応性リンパ球は健常者ではトレランス状態で存在する。このトレランス維持機構は制御性T細胞や活性化自己反応性T細胞に存在するCTLA4やPD1などの阻害分子に依存する。
TregやCTLA4やPD1に異常が起きると自己免疫疾患が生じる。加齢によりこれらに異常があるために膠原病が発症しやすくなる
また、外来抗原と自己抗原との交差反応からトレランス状態が解除されることもある
2024年4月16日 | カテゴリー:膠原病 |
横紋筋融解症,リウマチ性多発筋痛症、 血管炎、壊死性筋膜炎、 好酸球性筋膜炎、 ウイルス感染症、 化膿性筋炎、 流行性筋痛症
血管炎とはANCA関連血管炎や結節性多発動脈炎
2024年4月14日 | カテゴリー:膠原病, 関節リウマチ リウマチ外来 |
カルシニューリン阻害薬は、免疫系に影響を及ぼす薬剤の一群で、主に免疫抑制に使用されます。
シクロスポリン (Cyclosporine A: CyA)
タクロリムス (Tacrolimus: Tac, FK506):
2024年4月14日 | カテゴリー:膠原病, 関節リウマチ リウマチ外来 |
多くの自己免疫疾患は特異抗体が存在します。関節リウマチならCCP抗体です。血液内科医の便利なところは普通の血液検査で、いろいろな種類の白血球の増減の組み合わせでだいたいのところがわかるというこです
2024年4月13日 | カテゴリー:膠原病, 関節リウマチ リウマチ外来 |
説明その①:免疫の遺伝を背景に環境因子が働いて本格的な免疫異常が起きて、関節の中のクッションの一つである関節液を作っている滑膜細胞が白血球を呼び込んで炎症を起こしながら異常滑膜細胞が増殖し関節にさらなる炎症を起こし筋や腱だけでなく骨を融解性に破壊してしまう病気です。
説明その②:慢性 破壊性 自己免疫性 多滑膜炎です
説明その③:末梢関節の朝のこわばり、浮腫、疼痛から始まる多関節炎
2024年4月13日 | カテゴリー:新着情報, 膠原病, 関節リウマチ リウマチ外来 |
炎症性筋疾患/SLE筋炎/全身性強皮症/ベーチェット病/サルコイド-シス/感染性ミオパチ-/筋ジス/ミオトニア/ALS/脊髄性筋委縮症/横紋筋融解症/代謝性ミオパチ-/悪性症候群
甲状腺機能低下症/先端肥大症/周期性四肢麻痺/コルヒチン/ヒドロキシクロロキン/スタチン/フィブラ-ト/アルコ-ル
重症筋無力症/イートン―ランバ-ト/クッシング/低カルシウム/ギランバレ-
MI2抗体陽性者は皮膚筋炎でも亜急性の時に多く、ステロイドの反応性がいいことが多い。このときの抗核抗体はSPECKLED PATTERNが多い
MDA5抗体はCADM140抗体と呼ばれていたもので予後の悪い皮膚筋炎に多い 皮膚潰瘍や有痛性紅斑もある フェリチン高値 白血球減少もある
抗TIF1抗体陽性者には悪性腫瘍の合併が多いので注意が必要
抗SRP 抗体陽性者は 筋炎症状がおもである CKが高く 治療抵抗性が多い
抗HMGCR抗体陽性者は壊死性筋炎が多い スタチン関連壊死性筋炎であることがおおい
IgG4RDは罹患臓器に炎症細胞浸潤とつずく線維化により機能障害をおこしさらに臓器腫大や結節性病変を形成する免疫介在性慢性全身性疾患である。
自己免疫性膵炎:
IgG4関連硬化性胆管炎:
IgG4関連涙腺・唾液腺炎:
IgG4関連眼疾患:
IgG4関連腎臓病:
IgG4関連疾患の診断には、血液検査でIgG4の値を確認したり、腫れている臓器の組織の一部を取って顕微鏡で検査する(生検を行う)必要があります。他の病気を除外するためにも、正確な診断が重要です
<診断基準>
IgG4関連疾患の診断は基本的には、包括診断基準によるものとするが、以下の②~⑤のそれぞれの臓器別診断基準により診断されたものも含めることとする。
①<IgG4関連疾患包括診断基準>
以下のDefinite、Probableを対象とする。
1.臨床的に単一又は複数臓器に特徴的なびまん性あるいは限局性腫大、腫瘤、結節、肥厚性病変を認める。
2.血液学的に高IgG4血症(135mg/dL以上)を認める。
3.病理組織学的に以下の2つを認める。
a.組織所見:著明なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認める。
b.IgG4陽性形質細胞浸潤:IgG4/IgG陽性細胞比40%以上、かつIgG4陽性形質細胞が10/HPFを超える。
<診断のカテゴリー>
Definite:1+2+3を満たすもの
Probable:1+3を満たすもの
Possible:1+2を満たすもの
ただし、できる限り組織診断を加えて、各臓器の悪性腫瘍(癌、悪性リンパ腫など)や類似疾患(シェーグレン症候群、原発性/二次性硬化性胆管炎、キャッスルマン病、二次性後腹膜線維症、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)と鑑別することが重要である。
また、比較的生検困難な臓器病変(膵、胆道系、中枢神経、後腹膜、血管病変など)で、十分な組織が採取できず、本基準を用いて臨床的に診断困難であっても各臓器病変の診断基準を満たす場合には診断する。
②<自己免疫性膵炎の診断基準>
以下のDefinite、Probable、Possibleを対象とする。
A.診断項目
1.膵腫大:
a.びまん性腫大(diffuse)
b.限局性腫大(segmental/focal)
2.主膵管の不整狭細像:ERP
3.血清学的所見
高IgG4血症(135mg/dL以上)
4.病理所見:以下の①~④の所見のうち、
a.3つ以上を認める。
b.2つを認める。
①高度のリンパ球、形質細胞の浸潤と、線維化
②強拡1視野当たり10個を超えるIgG4陽性形質細胞浸潤
③花筵状線維化(storiform fibrosis)
④閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)
5.膵外病変:硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎、後腹膜線維症
a.臨床的病変
臨床所見及び画像所見において、膵外胆管の硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎(ミクリッツ(Mikulicz)病)あるいは後腹膜線維症と診断できる。
b.病理学的病変
硬化性胆管炎、硬化性涙腺炎・唾液腺炎、後腹膜線維症の特徴的な病理所見を認める。
オプション:ステロイド治療の効果
専門施設においては、膵癌や胆管癌を除外後に、ステロイドによる治療効果を診断項目に含むこともできる.悪性疾患の鑑別が難しい場合は超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)細胞診まで行っておくことが望ましいが、病理学的な悪性腫瘍の除外診断なく、ステロイド投与による安易な治療的診断は避けるべきである。
<診断のカテゴリー>
Definite:
①びまん型:1a+(3、4b、5a、5bのうち1つ以上)を満たすもの
②限局型:1b+2+(3、4b、5a、5bのうち2つ以上)を満たすもの
1b+2+(3、4b、5a、5bのうち1つ)+オプションを満たすもの
③病理組織学的確診:4aを満たすもの
Probable:Possibleの基準+オプションを満たすもの
Possible*:自己免疫性膵炎を示唆する限局性膵腫大を呈する例でERP 像が得られなかった場合、(EUS-FNAで膵癌を除外)+(3、4b、5a、5bの1つ以上)を満たすもの
*我が国では極めてまれな2型の可能性もある。
③<IgG4 関連硬化性胆管炎の診断基準>
Definite、Probableを対象とする。
A.診断項目
1.胆道画像検査にて肝内・肝外胆管にびまん性、あるいは限局性の特徴的な狭窄像と壁肥厚を伴う硬化性病変を認める。
2.血液学的に高IgG4血症(135mg/dL以上)を認める。
3.自己免疫性膵炎、IgG4 関連涙腺・唾液腺炎、IgG4 関連後腹膜線維症のいずれかの合併を認める。
4.胆管壁に以下の病理組織学的所見を認める。
a.高度なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化
b.強拡1視野あたり10個を超えるIgG4陽性形質細胞浸潤
c.花筵状線維化(storiform fibrosis)
d.閉塞性静脈炎(obliterative phlebitis)
オプション:ステロイド治療の効果
胆管生検や超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration、EUS-FNA)を含む精密検査のできる専門施設においては、胆管癌や膵癌などの悪性腫瘍を除外後に、ステロイドによる治療効果を診断項目に含むことができる。
<診断のカテゴリー>
Definite:
①1+3を満たすもの
②1+2+4a+4bを満たすもの
③4a+4b+4cを満たすもの
④4a+4b+4dを満たすもの
Probable:1+2+オプションを満たすもの
Possible:1+2を満たすもの
ただし、胆管癌や膵癌などの悪性疾患、原発性硬化性胆管炎や原因が明らかな二次性硬化性胆管炎を除外することが必要である。診断基準を満たさないが、臨床的にIgG4 関連硬化性胆管炎が否定できない場合、安易にステロイド治療を行わずに専門施設に紹介することが重要である。
④<IgG4関連涙腺・眼窩及び唾液腺病変の診断基準>
Definiteを対象とする。
A.診断項目
1.涙腺・耳下腺・顎下腺の持続性(3か月以上)、対称性に2ペア以上の腫脹を認める。
2.血液学的に高IgG4 血症(135mg/dL以上)を認める。
3.涙腺・唾液腺組織に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤(強拡大5視野でIgG4+/IgG+が50%以上)を認める。
B.鑑別疾患
シェーグレン症候群、サルコイドーシス、キャッスルマン病、多発血管炎性肉芽腫症、悪性リンパ腫、癌などを除外する。
<診断のカテゴリー>
Definite:
①A1+A2+Bを満たすもの
②A1+A3+Bを満たすもの
⑤<IgG4関連腎臓病の診断基準>
Definite、Probableを対象とする。
A.診断項目
1.尿所見、腎機能検査に何らかの異常を認め、血液検査にて高IgG血症、低補体血症、高IgE血症のいずれかを認める。
2.画像上特徴的な異常所見(びまん性腎腫大、腎実質の多発性造影不良域、単発性腎腫瘤(hypovascular)、腎盂壁肥厚病変)を認める。
3.血液学的に高IgG4血症(135mg/dL以上)を認める。
4.腎臓の病理組織学的に以下の2つの所見を認める。
a.著明なリンパ球、形質細胞の浸潤を認める。ただし、IgG4/IgG陽性細胞比40%以上、又はIgG4陽性形質細胞が10/HPFを超える。
b.浸潤細胞を取り囲む特徴的な線維化を認める。
5.腎臓以外の臓器の病理組織学的に著明なリンパ球、形質細胞の浸潤を認める。ただし、IgG4/IgG陽性細胞比40%以上、又はIgG4陽性形質細胞が10/HPFを超える。
B.鑑別疾患
1.臨床的な鑑別疾患:多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、形質細胞腫など
2.画像診断上の鑑別疾患:悪性リンパ腫、腎癌(尿路上皮癌など)、腎梗塞、腎盂腎炎、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシス、癌の転移など
<診断のカテゴリー>(ただしB.鑑別疾患を鑑別する。)
Definite:
①1+3+4a+4bを満たすもの
②2+3+4a+4bを満たすもの
③2+3+5を満たすもの
Probable:
①1+4a+4bを満たすもの
②2+4a+4bを満たすもの
③2+5を満たすもの
Possible:
①1+3を満たすもの
②2+3を満たすもの
③1+4aを満たすもの
④2+4aを満たすもの
<重症度分類>
重症度は基本的に治療開始後に判定し、以下の(1)又は(2)を満たす者を対象とする。
(1)ステロイド依存性
十分量のステロイド治療を行い寛解導入したが、ステロイド減量や中止で臓器障害が再燃し、離脱できない場合
(2)ステロイド抵抗性
十分量のステロイド治療<初回投与量(0.5~0.6mg/kg)>を6か月間行っても寛解導入できず、臓器障害が残る場合
臓器障害
当該疾患に罹患している各臓器固有の機能障害が残るもの
腎臓:CKD重症度分類ヒートマップが赤の部分の場合
胆道:閉塞性黄疸が解除できずステント挿入などが必要
または重度の肝硬変Child Pugh B以上
膵臓:閉塞性黄疸が解除できずステント挿入などが必要
または膵石などを伴う重度の膵外分泌機能不全
呼吸器:PaO2が60Torr以下の低酸素血症が持続する。
後腹膜・血管:尿路の閉塞が持続する、血管破裂
あるいはその予防のためのステンティング
下垂体:ホルモンの補償療法が必要