CHEMERA USAGE
いいところを突いてきました。
ここは「ちゃんと Tyr1034/1035 の Cα をつかまえられるか」が、モデル検証の土台になります。
1. JAK1 の PDB についての重要な注意点
まず前提として:
- PDB にある JAK1 構造は、多くが キナーゼドメインだけの断片 です。
- その場合、残基番号がフルレングス JAK1(Uniprot の番号)とズレている ことが多いです。
つまり、
- 生物学的番号では Tyr1034/1035 でも
- その PDB では Tyr 数百番台、みたいに 別の番号になっている
可能性が高いです。
なので、
「PDB のどの Tyr が 1034/1035 に相当するか」
を、一度きちんとマッピングする必要があります。
2. 安定して使える JAK1 キナーゼドメインの PDB 例
たとえば、よく使われるのはこういうものです(例):
- 3EYG, 3EHY:JAK1 JH1(キナーゼドメイン)の結晶構造 UVACollab
ただし、これらの構造でも、
- PDB 上の残基番号 ≠ Uniprot 上の 1034/1035
なので、「どの Tyr が 1034/1035 に対応しているか」を決める作業が要ります。
3. Tyr1034/1035 対応残基を特定する大まかな流れ
やることはシンプルで、ステップはこうなります。
Uniprot からヒト JAK1 のフル配列を取る
- Tyr1034, Tyr1035 の周辺配列(数残基前後)を控えておく
例:…DLYYRV…のような Y–Y が並ぶモチーフ(実配列は Uniprot 参照)
- Tyr1034, Tyr1035 の周辺配列(数残基前後)を控えておく
PDB(例:3EYG)の配列とアラインメントを取る
- Uniprot 配列 vs PDB の chain(A など)をアライン
- Tyr–Tyr モチーフがどこに来るかを探し、
- 「PDB 上のどの残基番号が Tyr1034/1035 に対応するか」を確定する
ここは一度やってしまえば、
「この PDB では Tyr1034 ≒ TyrXXX, Tyr1035 ≒ TyrYYY」
という対応表をメモしておけます。
4. UCSF Chimera で Tyr1034/1035 の Cα 座標を抜き出す手順
対応する PDB 残基番号が分かった前提で、Chimera での具体的な操作です。
手順
JAK1 の PDB を Chimera で開く
ターゲット残基を選択
- 例えば、PDB 上で Tyr1034 が鎖 A の 742 番に対応しているなら:
- メニューで
Select → Residue → tyr742
あるいは
コマンドラインでselect :742.A
- メニューで
- 例えば、PDB 上で Tyr1034 が鎖 A の 742 番に対応しているなら:
Cα だけに絞る
- コマンド:
select :742.A@CA
- コマンド:
Cα 座標を取得
Actions → Inspectで「Atom」を選び、
X, Y, Z 座標を確認- あるいは、コマンドラインで
などとして、小さな PDB に書き出し、その中から座標を読むwrite selected format pdb #0 selected_only true file tyr1034_CA.pdb
Tyr1035 についても同じことをする
- 例:
select :743.A@CA
- 例:
これで、
- Tyr1034 の Cα:((x_{1034}, y_{1034}, z_{1034}))
- Tyr1035 の Cα:((x_{1035}, y_{1035}, z_{1035}))
を、実座標として取得できます。
5. あなたのモデルへの接続
ここまでできれば、あとはいつもの流れです。
- この Cα(1034, 1035)を 終点 Cα として指定
- COM → 近傍 Cα 3 本 → … → Tyr1034/1035 へのルートを作る
- 各区間の距離 L を Chimera で測り、
[ T^{(i)} = \prod_j e(L_j) ] - 最後に
[ \text{Effect}(\text{Tyr1034/1035}) = \Delta E_{\text{dock}} \cdot T_{\text{avg}} ]
ここで初めて、
「JAK1 の activation loop のスイッチに対する allosteric effect」 を
実際の座標に基づいて評価できるようになります。
もしよければ次は、
- 「どの PDB(ID)を実際に使うか」
- 「Uniprot 番号 1034/1035 と PDB の Tyr 番号の対応をどうとるか(もう少し具体的なやり方)」
のどちらかを詰めましょうか。
「自分でアラインメントして対応を取りたい」のか、「手順だけ欲しい」のか教えてくれたら、そこに合わせます。
2026年1月14日 | カテゴリー:論文/講義/発表用 |




