プロトンポンプ陽性癌細胞
癌細胞にプロトンポンプが発現している症例はいくつか報告されています。特に、胃癌においてプロトンポンプ(H⁺/K⁺-ATPase)の発現が確認されており、胃酸分泌細胞(壁細胞)に多く見られるこの酵素が、癌細胞の腫瘍微小環境の酸性化に関与している可能性が指摘されています。
また、がん細胞の膜環境において、プロトンポンプが異常発現し、腫瘍の生存や増殖に影響を与えることが示唆されています。特に、ナトリウムポンプ(Na⁺/K⁺-ATPase)との関連も議論されており、これらのイオンポンプが癌細胞の代謝や薬剤耐性に関与している可能性があります。
さらに、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用が胃癌の発生に影響を与える可能性についても研究が進められており、PPIの使用と胃癌の関連性が議論されています
2025年5月14日 | カテゴリー:消化管学, 癌の病態生理と治療学 |